ぐるぐるクロニクルでは振り子時計を中心として色々なペーパークラフトを制作しています。展開図も配布していますのでダウンロードして作ってみてください。
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完成写真
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写真は振り子を外した状態。
大きさは縦33cm、横25cm、奥行き25cm。頑張ったがこれ以上の小型化は難しい。
歯車のモジュールは3。構造は今までのやり方を踏襲している。
ただし今回は作成方法で新しいやり方を試してみた。
下写真を見てもらえばわかるが、型枠を作ることで歯型の精度があがる。
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この方法は型枠をきっちり作らないと意味が無いのだが、なんの目安もなく作るよりはましだろう。
軸受けにハトメを使ったことも精度の向上に一役買っている。
棒に紙を巻きつけて作った軸受けでは摩擦が大きくなる。
ハトメを使うことで軸との摩擦を小さくし、かつ耐久性もあがる。なによりも軸受けを作る手間が省けるのがいい。
脱進機は以前に作った退却型アンクル脱進機を改良したものを使っている。
実はスケールダウンすればいいと安易に考えていたのだが全くの考え違いだった。
アンクルだけで10個ほど試作を重ねた結果がこれ。
ちょっと時計に詳しい人なら輪列を見れば分かると思うが、この振り子時計は1時間で錘が1m下がる。
2mの高さで壁に掛けても2時間しか駆動しない。
このような輪列にしなければならなかったことは私にとっても非常に苦しい選択であった。
しかし実際問題、2mほどの錘の巻上げで24時間あるいは12時間でも駆動する輪列にするには、紙の歯車の強度が絶対的に足りなかった。
すでに世に出ている他の紙製時計をネット上の写真などで見ても(実物は見てない)、おそらく実動2〜3時間ではないかと思う。
やはり紙の強度では限界があるようだ。
時計は動いてなんぼのもの。ということで動画も是非ご覧下さい。
動画で改めて気づいた壁の汚れ。
さすがに自分で壁紙張替はできないなあ。
今は煙草を止めたが、あの頃の自分に説教したいです。
アンクルを外して歯車を回転させてみた。
次の写真はMooreさんが投稿してくれたものです。
色付の紙を使うことでとてもポップに仕上がっていますね。
Thank you!! Mr. Moore.
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制作後記 (2008/12/7 記す)
完成まで実に2年という月日を重ねたペーパー振り子時計。長いです。長すぎです。
当初の考えではせいぜい3ヶ月ぐらいでできるだろうと甘すぎましたね。
これに着手する以前、まともにペーパークラフトを作ったことも無かったのになんだったんでしょう、あの自信は。
歯車については一番最初にとりかかって、最後まで悩まされました。
Trevithick's Locomotiveで歯車については確立したと思っていたんですがねえ。
精度と強度と見た目の美しさと作りやすさ。
これらを全て満たす歯車を目指して2年間やってまいりました。
設計当初の歯車は本当理解不能な作り方でしたよ。
リング状の歯底円にスリットを空けて、歯を縫いこむとかいう、なんでそんな考えに至ったのか聞きたいですわ。
そして今の構造に落ち着いたわけですが、上でも書いたように強度的に紙で実用に耐え得る振り子時計を作るのは、不可能とは言わないまでも困難であると結論したわけです。
本当はシリーズ化してカレンダー機能やムーンフェイズなどを備えたものを作りたかったんですが。
もちろんこれら機能は現状でも可能だと思います。減速方向へ加える歯車ですからトルク的に問題ありません。
しかし理論的に可能だからといってそれでいいわけではなく。
問題は最長2時間ほどで巻き上げなければならない振り子時計にカレンダーつけてどうするんだという点です。
あくまで紙にこだわるなら0.2mmの厚紙用紙を15枚ほど重ね貼りして、3mm厚の歯車作るとかしかないと思われる。
ただそうなるとペーパークラフトじゃない気がする。
ある意味合板のようなものだから木工ではないか。
それだったら糸のこ買って本格的に木工するです。
そんなわけでPaper Clock Project なんて仰々しいタイトルつけときながら、プロジェクトはこれにて終了です。
で、今後の方針としてはペパクラ的にはオートマタ方面へ向かっていこうと思っております。
そしてもう一つ、振り子時計製作に関しては今後も続けていこうと思っていますが、これについては紙ではなく既成のプラスチック歯車などを使って作ろうと思っています。
そんなわけで気分的には一区切りついて、2ndシーズン開始といったところです。
これからもどうぞご愛顧のほど、よろしくお願いします。
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