『キラ☆キラ』 椎野きらり

キラ☆キラはOVERDRIVEというメーカーから発売されている、18禁青春恋愛ロックンロールノベルゲームです(笑)
あらすじをメーカーのホームページから拝借してみた。

---前島鹿之助はミッション系の学校『欧美学園』に通う学生だ。
部活にも顔を出さず、受験勉強にも身を入れずにアルバイトにばかり精を出すちょっとダメな毎日を送っている。
そんな彼が、バイト先でかなり変った女の子『椎野きらり』と出会い思いがけずパンクバンドを結成してしまうところから、鹿之助の物語が始まるのであった。
バンドのメンバーは、鹿之助、きらり、幼馴染の『石動千絵』、それから病弱な資産家令嬢の『樫原紗理奈』。
彼らは、存在感のほとんどない、もう廃部も決定してしまった『第二文芸部』の部員たちである。
最後の晴れ舞台、文化祭で目立つために立ち上がったのだ。


無謀かと思えた挑戦だが、エキセントリックな特訓を繰り返し、平和だった欧美学園にロックの騒乱を引き起こしつつも文化祭ライブを成功させてしまう。
これでもう満足。バンドは解散。
普通の学園生活に戻るはず…だった。
だけれども、最後にライブハウスで行った演奏の模様がインターネットで配信されると、彼らの元に地方のライブハウスから出演の依頼が舞い込んでしまう。
どうしよう? もう受験だよ? 家族も反対してるよ?
知ったことか!
そして四人は今にも壊れそうなオンボロワゴンに楽器と夢とそれぞれの期待を積み込んで学園生活最後の冒険として長い旅に出発してしまうのであった。
「まずは名古屋だ!」---


ものすごくありがち?いや、よくよく考えてみると、この手のゲームってなかったような気もする。
もっといえば、ゲームに限らずマンガ、小説、ドラマでバンドを真正面から扱ったものって意外と少ないよね。
やっぱり音を言葉や絵で表現することの難しさがあるのかもしれない。

バンド、さらに旅をプロットにした小説で、僕の心に残っているものを紹介すると、筋肉少女帯のボーカル、オーケンこと大槻ケンヂの『ロッキン・ホース・バレリーナ』と、花村萬月の『ゴッド・ブレイス物語』の2冊がある。
『ロッキン〜』は音楽業界を生で勝ち抜いてきたオーケンだからこそ書けるリアリティ、それとやっぱ詩才かな。
さわやかで軽めの文体の中に時折垣間見える登場人物たちの鬱屈した内面がとても繊細。
難を言えば業界の裏事情的なことが、多分当事者故に、努めて客観的に描いたのかもしれないが、そこだけ何か物語ではなくドキュメントチックな視点の違和感を感じた。
傑作には違いないだろうが、業界の勝ち組だからこそ書ける余裕みたいなものが通奏低音のように流れていて、そこが鼻につく印象はあったな。
『ゴッド〜』は花村萬月のデビュー作。主人公でヴォーカルの女性がとても強く(人間的に)そのへん『キラ☆キラ』のきらりと通ずるものがある感じ。
花村萬月の代名詞である暴力とsexはこの作品では薄いが、それでもいわゆる一般人からすれば非現実であることは間違いない。
村上龍の初期に通ずる感じかな。退廃的だけどものすごく透明感がある。
ところで、この人の小説は結構音楽を扱ったものが多いけど、そのほとんどがギタリスト主題なんだよね。
リアルな話、ギタリストほど人間的に駄目なやつはいないッス。
わがままで自己中でそれでいて内向的で打たれ弱くて。(全部自分のことでした ( ̄▽ ̄)ゞ)
だからかどうか知らないが、花村萬月の小説に出てくるギタリストは皆ウジウジしてます。そんで音の向こう側とか探したりします。
これでは娯楽小説にはなりませんね。

で、話を『キラ☆キラ』に戻しますが、極端なことを言えば、キラ☆キラは今挙げた2作品のおいしいとこだけ抽出して混ぜ合わせ、さらに良質の音楽まで堪能できる、まさに18禁青春恋愛ロックンロールノベルゲームの肩書きは伊達ではない最高のゲームなのです。(どこの回しもんだよ)
何がいいかって、先ず主人公がベース担当なのが素晴しい。
ベース弾きって基本いい人が多いからな。楽器の担当決めるときってほんとゲームで書かれている感じだよね。
ギタリスト属性の人は絶対譲らないから、結局協調性のある人がベースになる。
逆に自分から絶対ベースやりたいッスという奴は変わり者が多い。
蛇足だがドラマーは社交的な奴が多い。キーボードはわからん。
ベーシストが主人公だから音色がどうのとか、早弾きがどうのとか、チョーキングのためがどうのとか、どうでもいいことに話を費やさなくていい。
その代わりバンドの要となって人間模様が深く描かれる。
それともう一点、ものすごく等身大の主人公。これがいい。
変な話、『ロッキン〜』や『ゴッド〜』よりもものすごく身近に感じた。エロゲだよ。これ。
例えば同じくバンドテーマのマンガ『BECK』のコユキなんか最初の頃はどこにでもいる高校生だったのに、連載モノの宿命ゆえ、新たな壁、敵を打ち破るたびに成長をし続け最近では海外フェスに出演しちゃうような人になっちゃったよ。(それはそれでいい。比較の為に挙げただけ)
等身大の主人公、あるいは凡人と言い換えてもいい。だからこそ、”あの”エンディングが痛いくらい心に響く。
そのへん、あまり詳しくはいえないけどバンドやってる人、やってた人には是非お勧めのゲームです。
泣けます。号泣です。

一応メーカーのサイトにリンク張っておきますが18禁なので18歳以上の人だけお願いします。
overdrive


まあ、そんなわけでキラ☆キラにハマリまくってしまい、ついやっちまいました。
きらりペパクラ化。
某ねん〇ろいどの質感をイメージしながらメタセコでモデリング、ペパクラデザイナーで展開図作成しました。

全長は約14センチ強。これより小さいと作成難易度が大変なことになってしまう。

顔のテクスチャを変更可能。この他にもう一種類アホな子ヴァージョンがいる。

バックショットとギター。

ペパクラ画像と共にゲームのオープニング曲を弾いてみた動画はこちら。


制作難易度は高めです。
特にギターはお腹ムズムズするぐらい細かいです。
慣れていない人は2日はつぶれることを覚悟してください。

展開図のダウンロード

展開図データは、pdo 形式ファイルで公開しています。
pdo形式のファイルをご利用になるためには ペパクラビューワー(無償) が必要です。
お持ちでない方は公式サイトよりダウンロードしてインストールしてください。

  ←こちらからどうぞ


データの無断掲載・転載・配布、営利目的での使用を禁じます。

ノーマルバージョン


折り線を極力排した上級者向けバージョン

注)
08/2/16 展開図を一部修正。そのため下記作り方写真と違う形のパーツがありますが、同様の作り方で問題ありません。
修正点ですが、頭の長さを若干短くして、後ろ髪で隠れて見えない後頭部の分割数を少なくしました。
首から下は以前と同じです。



制作に必要なもの

A4サイズの厚みを持った紙。
今回使用した用紙はKOKUYOのマット紙。
厚さは0.17mmのものです。
接着剤は木工用ボンド速乾が扱いやすいです。



制作に取り掛かる前に

ペーパークラフトの制作は、カッターナイフ等を使った細かい作業を必要とします。
作業と作業の間ではカッターナイフの刃をきちんとしまうなどして、怪我のないよう十分注意してください。
製作中の事故について、当サイトでは一切の責任を負いかねますので御了承ください。


作り方

ペパクラビューワー、設定>用紙と印刷の設定で、ビットマップ解像度を変更できます。
高解像度、あるいは中解像度でも十分きれいに印刷できると思います。(最高解像度での印刷はパソコンのメモリが少ない場合、非常に時間がかかるか、場合によってはフリーズすることもあります。)
線の太さはお好みで。
表示からのりしろを隣接面の色で塗るにチェックを入れると接合部がきれいに仕上がります。
顔のテクスチャはペパクラビューワーの設定>テクスチャの設定で変更できます。

パーツを切り離したら必ず折り線に沿って、折り目を入れてください。
僕は100円ショップで買った毛抜きの先を使って折り目を入れています。
接着したあとで折り目を入れてない部分があると、そこから形が崩れていきます。
基本的にはペパクラビューワーで切断、接着場所を確認すればできるとおもいます。
以下は簡単な流れと、細かい注意点など。

中央のラインは消してあります。本来の切断線、折り目は左図の通り。
右図、きちんと折り目が入っていることがわかると思います。中央を接着した後、外側を接着します。
顔の出来が全ての完成度を決定するといっても過言ではありません。根気よく丁寧に頑張りましょう。

頭も同様に中央から接着していきます。
首は切れ目の部分で折ります。

頭と首を接着します。
顔と頭を接着します。下から順番にくっつけます。

後ろ髪は折り線の部分を形作った後、他の部分を接着します。

前髪と後ろ髪を中央から順に接着します。
顔のテクスチャを変えて遊びたい人は髪を接着しなくてもいいです。
張り合わせたアホ毛1と2、星のアクセサリーを適当な位置に接着します。

服1は組み立てが複雑です。接着する前に一度接着位置を確認してください。

服2、袖を接着します。

手を腕に差し込んで接着します。さらに袖に接着します。

足から順に上に向かって組み立てていきます。

支柱で蓋をします。前後に注意。切れ目があるほうが後ろです。
スカートをはかせます。おへその辺り(切れ目の辺)で接着し固定します。
背中の方は接着不要です。

上半身を乗せます。接着は不要です。
ベルトを適当な位置に接着します。

ギターの裏板(弦とか無い方)に側板1、2を順に接着します。
表板で蓋をします。

ペグは細かすぎるので、よほどこだわりのある人でなければ作らなくてもいいでしょう。
ストラップは人形に掛けやすいように斜めに接着してください。

マイクスタンドを差し込んで接着してからマイクを組み立ててください。

うまく作れば自立しますが、バランスが悪く自立しない場合、台シートに足を接着してください。
台シートが曲がってしまう場合、厚紙などで補強してください。
以上で完成です。お疲れ様でした。

制作後記 2008/1/6 記す

ペパクラデザイナーを買ったときから、いつかは足を踏み入れてしまうんだろうなと漠然と思っていた萌え系ペパクラ。
2008年新年早々やっちまいました。
まあ、実際は12月中旬からモデリングはじめてたわけなんですが。
それにしてもクリスマスと正月休みの全てをこれに注ぎ込みました。
ほんとここまでぶっ続けで作ったのはないね。
とにかく人物を作るのが初めてなのでモデリングからして試行錯誤の繰り返し。
単純に輪切り状の顔にはしたくない。ほっぺのプニ感は絶対出したい。髪のボリューム感。全体のバランス。作りやすさ。テクスチャの書き込み。
いろいろ詰めていって、100%満足したわけではないが、現状ではこれが精一杯。
今後さらに他の作品を作ることで人物系の完成度を上げていきたいが、今回素体たんを作ってしまったのよね。
次回その素体たんを利用したら結局発展はないわけで。
でもまた一からという気力は今はないなあ。
それはともかく、今回の展開図作成にあたっては、先行する人物系ペパクラ作家さんの技法に多大なる影響を受けております。
特に『萌紙』さん、『cafetera』さんの作品がなかったら絶対に完成できなかったと思います。
この場を借りて心よりお礼申し上げます。
ありがとうございました。<(_ _)>