白りんご・赤りんご



展開図はホワイトモデルです。
色つきのりんごを作りたいときはカラー用紙を使用してください。

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心眼を以って喝目すべし。されば曲面、自ずから現れにけり。

紙で曲面を表現することは非常に難しい。さらにいえば完全な球体を作ることは不可能である。
近似的に球体を作る手段は微分の考え方に近い。
曲面を細かく分割するほど、より球体に近づく。
しかし、それは同時にペーパークラフトにおいては制作の困難さを増加させるだけでなく、切れ目が増えることにより見た目をも悪くする。
ペーパークラフトにおいて曲面の多いフィギュア=figure(いわゆる美少女系とか、いうなれば人間のリアルモデル)がいまひとつ盛り上がらないのもこの点にあるのではないかと思う。
今回このようなりんごを作ったのは以上のような問題点が念頭にあったからである。
ペーパークラフトにおける曲面表現の方法と、その試行。
例えばこのフレームモデルに水で濡らした和紙を貼り付けるなどすれば切れ目の目立たない球体が出来るのではないか。
これは伝統的な張り子人形からの発想である。
しかし私はフレームモデルが出来上がった時点で、あえて面を貼らなくてもいいのでは?という疑問に至った。
この疑問は今後のペーパークラフト設計における方向性を決める上で重要なファクターである。
つまりリアルかデフォルメか。あるいは形而下か形而上か。
あくまでこれは私の感じ方であるのだが、精巧なペーパークラフトというのは必ずしもパーツ数や微細さに比例しない気がする。
というより偏執的なまでの細かいパーツで組み上げるペーパークラフトなどは見ているだけで萎える。(このへんは好き嫌いの問題)

話を飛躍させるが、ペーパークラフトは実に江戸文化的であると思う。
つまり侘び寂びである。
とはいうものの侘び寂びの何たるかなどとてもわかりはしないが、あえて一言で述べるという暴挙に出たならば、それは省略ではないかと思う。
余計なものを一切削ぎ落として、その本質だけを具現する。
私は空想家なので思考遊戯としてのイデア論とか好きなのだが、プラトン的とかアリストテレス的とか松尾芭蕉的とか、思想の違いに関わらず本質を見出すという考えが好きである。
さてペーパークラフトなのだが、紙という特性上曲面を再現しづらいとは最初に述べた。さらに言えば強度の問題、工作難易度の問題などの縛りがある。
したがってどんな作品であっても、どこかで省略をしなければならない。
それは妥協ともいえる。
しかし捉え方によっては曲面という概念(本質)を創出する創意とも考えられるのではなかろうか。

まあ、色々と理屈をこねても結局は作ってて楽しければなんでもいいのだが、何が言いたかったのかというと結局、ペーパークラフト設計は楽しいなってことなのでした。