クリプテックス。それは携帯型秘密文書保持箱

ダ・ヴィンチの素描「ウィトルウィウス的人体図」に見立てられた変死体に導かれ、
出会ったラングドン教授と暗号捜査官のソフィー。

二人は変死体に秘められた暗号を元に聖杯の謎に迫っていく。

しかし同様に聖杯を追い求める狂信者に命を狙われることに。

今さらですが「ダ・ヴィンチ・コード」です。

クリプテックス(cryptex)はこの「ダ・ヴィンチ・コード」のキーアイテムで、
聖杯の在り処が記されている紙を秘蔵する、暗号鍵機能内蔵の容れ物なのでした。


形と機能は小説によると・・・

「それは磨き上げられた白い大理石で作られた円筒で、テニスボールの缶ぐらいの大きさ」

「細い真鍮の枠の中に、5個のドーナツ大の大理石の円盤が重ねられている」

「5個の円盤にはどれも同じく、アルファベット26文字が丁寧に彫りこまれている」

「自転車のダイヤル錠と同じ仕組み。ダイヤルを正しい位置に併せると開錠する」

ダン・ブラウン著 越前敏弥訳 角川文庫『ダ・ヴィンチ・コード』より

とあります。


映画では下の写真のようなクリプテックスが小道具として製作されました。

かっちょえ〜。でも8,000円出して買うのもなんだかな〜(って怒られるって)

う〜ん・・・じゃあ作るか。ってな感じでペパクラってみました。


ところで小説ではクリプテックスのオリジナルデザインは、
ダ・ヴィンチの秘密日記に由来すると書かれていますが、
実際のところはそのような記録はないようです。

つまりクリプテックスは作家ダン・ブラウンの創作なんですね。


お約束

展開図データは、Adobe Acrobat 形式ファイルで公開しています。
PDF形式のファイルをご利用になるためには Acrobat Reader(無償) が必要です。
お持ちでない方は公式サイトよりダウンロードしてインストールしてください。

  ←こちらからどうぞ


PDFファイルはZIP形式で圧縮しています。
右クリック、「対象をファイルに保存」でダウンロードした後、解凍してお使いください。

データの無断掲載・転載・配布、営利目的での使用を禁じます。


展開図データ FREE

key01.zip

key02.zip

ring.zip

dial.zip





制作に必要なもの

A4サイズの厚みを持った紙。
今回使用した用紙はKOKUYOの厚紙用紙。厚さは0.215mmのものです。
これ以上厚い紙だと設計上、制作不可能だと思われます。


カッティングマット。カッターナイフ。木工用ボンド。ピンセット。定規。
これらは100円ショップでそろえられるもので十分だと思います。


制作に取り掛かる前に

ペーパークラフトの制作は、カッターナイフを使った細かい作業を必要とします。
作業と作業の間ではカッターナイフの刃をきちんとしまうなどして、怪我のないよう十分注意してください。
製作中の事故について、当サイトでは一切の責任を負いかねますので御了承ください。


断言しますが、ペーパークラフトを上手に作る方法は僕にはわかりません。
多分ものすごい集中力と根気でもって切り貼りするのが一番確実な方法なのかもしれませんが、
それも設計精度が高ければの話でしょう。

ぐるぐる印のクリプテックスは精度めちゃ甘です。
ですから根気をつめて作ってもカッチリとしたものはできないと思います。
そのへんを踏まえて、のほほんと作ってみてください。
今作っているパーツは、どのような機能を担っているのだろうと想像しながら作ってみると面白いかもしれません。

それでは早速作り始めてみましょう

工程1

pdfのkey01を1枚印刷します。

工程2

A-03とA-04で円柱を作ります。


工程3

A-05でドーナツを作ります。破線に折り目をつけてから、千切りしていきます。


工程4

A-02。木目との境目で見えづらい切線と、反対側に穴を空けるのを忘れないようにしましょう。


工程5

円柱にA-02を巻きつけ、さらにドーナツを被せます。糊付けはまだしません。


工程6

A-01をドーナツの両側面に糊付けします。


工程7

A-06をドーナツに巻きつけながら糊付けします。
そして仮組み状態だった円柱とA-02を隙間ができないよう糊付けし、ドーナツの三角形がA-02の溝の中心になるように回転させながら位置を調節し、糊付けます。


工程8

pdfのkey02を1枚印刷します。

工程9

B-04 B-05で円柱を作り、B-07でドーナツを作ります。(画像省略)
B-03には切れ目を入れ、爪楊枝の先などで少しだけ穴を広げます。(差込口になります)
鍵穴の作成と同じように出来上がった部品で仮組みします。


工程10

B-01をドーナツの側面に糊付けます。


工程11

B-06でドーナツを作ります。
ドーナツの星印とB-02の白い部分を合わせて糊付けします。


工程12

ちゃんと糊が固まったら星印のブロックと白い部分を切り取ります。
ここはカッターでなくハサミを使ってがっつりいきましょう。


工程13

工程10で作ったドーナツの側面に、食べかけドーナツを貼り付けます。
それぞれのブロックがぴったり一致すれば最高ですが、あまり細かいことにこだわらなくてもokです。


工程14

B-08 蝶ネクタイ軍団です。えらいピンボケしてますな。
三角の部分を貼り合わせて"A"を作ります。


工程15

仮組みを分解し、B-03に差し込みます。
裏側で足を折り畳み、糊付けします。


工程16

再び仮組みした後、円柱から順に糊付けしていきます。
注意しなければならない点は、外側のドーナツの食べかけ部分がB-03の溝の中心に一致するように位置を調節することです。
これを失敗するともう一度作り直さなければならないので集中力を3割増でお願いします。
コツは位置を決定した後、ドーナツを垂直方向、色がついてない方にずらし、糊を多めに塗った後、平らなテーブルに色側を下にして立て、ドーナツをスッと戻すようにするといいかもしれません。
はみ出てきた糊はタオルなどでふき取ってあげましょう。


工程17

B-09の三角の中心が、"A"の並びの延長線上に来るように位置を調節しながら糊付けします。


工程18

pdfのringを1枚印刷します。

工程19

C-07 C-08で円柱を作ります。
(ここで作った円柱は後々まで使うことになるので、リング作成後も捨てないで取っておいてください)


工程20

C-01でドーナツを作り円柱に被せます。糊付けはしません。
ドーナツの三角マークとC-03の欠けた部分が合うように調節して片面だけ糊付けます。
三角マークがついたブロックには糊をつけません。
糊が固まったら円柱からはずします。


工程21

ドーナツの三角マークがついたブロックだけを切り離します。
ドーナツを再び円柱に被せ、もう一方の側面にも同じようにC-03を糊付けします。


工程22

ドーナツを円柱から外し、C-02を内側に貼り付けます。
穴からの距離が長いほうに糊をつけます。
ドーナツの欠けた部分をふさがないように注意してください。


工程23

C-05を爪楊枝に巻きつけて、C-06とで写真のようなセットを作ります。


工程24

C-05をC-06に差し込んで糊付けします。
できあがったリベットは、なくさないようにドーナツに差し込んでおきましょう。(糊付けはしません)

工程25

pdfのdialを5枚印刷します。

工程26

D-03をリング状にし、D-10に差し込みます。
その際、ギザギザの欠けてる部分とD-10の欠けてる部分が一致するようにします。
D-03の足を裏で折り、糊付けします。


工程27

D-02でドーナツを作ります。
前ページ『リングの作成』で作成した円柱にドーナツを被せ(例によって糊付けはしません)D-08を側面に糊付けします。
ここでもD-02の三角マークとD-08の欠けた部分が一致するようにします。
三角マークのブロックには糊をつけないようにしてください。


工程28

ドーナツを円柱から外し、三角マークのブロックを切り離します。
再びドーナツを円柱に被せ、工程2で作った円盤をドーナツの側面に糊付けします。
欠けた部分がそろうようにして下さい。


工程29

D-09をギザギザに糊付けます。
糊が固まったら円柱から取り外し、写真のように切り取ります。


工程30

D-01 再び蝶ネクタイコンビです。
今回は三角柱を作ります。


工程31

斜線枠にあわせ三角柱を糊付けします。あんたとはやってられへんわ。ってことでコンビ解消です。


工程32

D-05でリングを作ります。


工程33

D-04 山折りと谷折りの連続。


工程34

耳が外側になるように、それぞれの端を糊付けし、リング状にします。
それをアルファベットリングに詰め込みます。(糊付けはまだしません)
26個の耳が等間隔にアルファベットの中心にくるように調整します。


工程35

天地の三角柱にアルファベットの"A"と"N"が位置するように微調整を加えます。
位置が確定したらD-07を貼り付け、固定します。


工程36

しっかり固まったら台座から外し、回転によって位置がずれないように注意しながら糊付けします。


工程37

パスワードに設定したいアルファベットを、リングの欠けた部分に位置するようにします。
写真では"A"がパスワードになります。


以上でダイヤルの作成は終了です。お疲れ様でした・・・


というわけにはいかないのでした。これから地獄のルーティンワークです。
大変ですが、このダイヤルをもうあと4個作ってください。
それでは健闘を祈る。

工程38

鍵穴にパスワード設定済みのダイヤルを被せていきます。
写真のパスワードは"APPLE"となっています。


工程39

リングとリベットです。
リベットは糊付けしません。


工程40

鍵を差し込んで完成です。
あとは普通のダイヤル錠のようにアルファベットをぐりぐり回せば鍵がかかります。
開錠するときは三角にパスワードの文字を並べて鍵を引けば開きます。


参考までに

クリプテックスの暗号組み合わせは26の5乗=11881376通りになります。
ですからパスワードを知らない人がこれを開けるのは不可能に近いでしょう。
しかし自分がパスワードを忘れてしまったら・・・悲劇です。
でもぐるぐる印のクリプテックスは安心設計。
万が一の場合、力任せに引っこ抜いてしまいましょう。
大切なものはちゃんとした金庫にしまっておきましょう。

間違った使い方

お金で遊んではいけません。
表に出せない領収書を隠してはいけません。