世界初の蒸気機関車

小学生のころに読んだマンガ世界偉人伝で記憶に残っている人物といったらエジソンとリンカーン、
それと蒸気機関の発明者ワットぐらいかな。
何故かワットの大掛かりな蒸気機関の絵が子供心ながら感銘を受けたようです。
文明開化の時代。あの無駄にメカニカルっぽい外観とかがたまらないのです。

現代の機械はそりゃ機能面で言えば雲泥の差があるのだろうが、あまりにも精緻で理論的すぎて、
素人は足を踏み入れる余地がない。
毎年テレビで工業高校の生徒がロボットを作って競技する、通称ロボコンってのやってるけど
すごいなと思いながら自分も作ってみたいとは思わない。作れないし。
頭良すぎ。
大雑把なのがいいです。調子が悪いときは叩くと直るみたいな。

話を元に戻すと、ワットという人が蒸気機関を発明したのですが、
それに車輪をつけて走らせてしまったおもろい人がいます。
世界初の蒸気機関車を作ったリチャード・トレビシック(Richard Trevithick)というイギリス人です。
トレビシックは1801年に試作1号機を作り、試行錯誤を繰り返し、
1804年ついにレールの上を走る蒸気機関車を完成させました。
そのときの走行実験では10トンの鉄、70人の乗客を乗せて16キロの距離を走破しました。
でも時間は4時間もかかったそうです。

今回私が作ったペーパークラフトは、この1804年の蒸気機関車です。
とはいうものの完全再現というわけではなく、かなりアレンジして(手を抜いて)います。
ですが機構については力を入れました。
要するに歯車が好きなんです。
この歯車は可動するように設計しました。

平歯車







強度を出すために、紙を何枚も貼り合せるのではなく立体化するのに苦労した。
方法は色々考えられるのだろうが、現状ではこの方法が一番精度が高く仕上がった。
紙ゆえに小さくするには限界がある。モジュール2が最小かも。
それ以下だと職人並みの技術が必要になってくるだろう。
あるいは日本人なら米粒にお経を書いたりするくらいだから可能か?



軸受けは紙ならではの巻きつけ工法。歯数15の歯車と


フレーム





フレームはブロックを組み合わせる方法。
使い方次第で様々な形、大きさのフレーム構造ができる。
CD立てや本立てや文房具立てなど(立てるものばっかりじゃん)にも応用できそう。
これはそのうち展開図を公開したい。



車軸には100円ショップで買った工作用の棒を使いました。
本当は軸も紙で作りたかったけど可動を前提に考えると、無理でした。
フレームと合体完了。




でなんだかんだ省略して・・・


完成写真



一番見栄えがいいギヤ側からのアングル。
当時はこんな歯車の塊が街中を走っていたのだなと感動。




斜め前のアングルも捨てがたい。
フライホイール側はちょっと素っ気ない。




前と後ろ。
本当は後ろにはブレーキ制御用のワイヤーとかがあるんだけど、
紙でそれを作るのは難しそうだったので省略。




知らない人が見たらこっちが前だと思うのではなかろうか。
実際僕も初めて写真を見たときはこっちが前だと思った。




歯車アップめ。と上からのアングル。







走る機関車。
ただし手で押してます。






歯車の回転。
地味だけどクランクの動きも面白い。


お気づきでしょうがテクスチャも何もないホワイトモデルです。
理由は多々あるのですが(テクスチャの制作が難しくて出来ないなんてとても口に出来ませんわ)
一番の理由は色をつけると紙の断面の白いところが目立って気になるのです。
オリジナルペーパークラフトをデザインされている方々の作品を拝見させていただくと、
のりしろなど非常に工夫を凝らしておられて、精進されているのに私としては肩身が狭い思いです。
見た目と強度と精度と再現性。
全てを追求するのは大変なことですが、少しずつでもレベルアップしていきたいと考えるのでした。